内燃機関・ ディーゼル新世紀
災害復旧時の重機や物流、公共交通など、社会インフラの多くはディーゼルエンジンに支えられています。 EV化が進む中、経済産業省は2035年に向けて合成燃料(e-fuel)の生産・利用を4倍以上に拡大する目標を掲げています。 ディーゼル車の代替燃料としても活用可能なe-fuelの実用化により、内燃機関の役割は、環境と社会の両立を目指す持続可能な未来に向けた選択肢として再び注目されています。
災害復旧時の重機や物流、公共交通など、社会インフラの多くはディーゼルエンジンに支えられています。 EV化が進む中、経済産業省は2035年に向けて合成燃料(e-fuel)の生産・利用を4倍以上に拡大する目標を掲げています。 ディーゼル車の代替燃料としても活用可能なe-fuelの実用化により、内燃機関の役割は、環境と社会の両立を目指す持続可能な未来に向けた選択肢として再び注目されています。
自然災害が多い日本の復旧支援の現場では、迅速かつ力強い対応が求められます。 その中で、ディーゼルエンジンを搭載した油圧ショベルやホイールローダーなどの重機は、災害直後から長期復旧まで、幅広い場面で活躍しています。
2025年現在、世界の自動車保有台数約30億台のうち、約50%は内燃機関が占めています。特に大型トラックや建設機械、さらには災害時に威力を発揮する発電機など、ディーゼル機関は不可欠な存在として、今後も存続することが見込まれます。
ディーゼルエンジンは130年以上の開発の歴史を持ち、熱効率の最大化を追求し続けてきた内燃機関です。この研究開発は飛躍的な進歩を遂げており、内閣府主導の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「革新的燃焼技術」の一環として、1970年代の30%台だった燃焼効率を、2019年には50%超えへと向上させました。
また、カーボンニュートラル社会の実現に向け、次世代燃料の開発・導入も加速しています。資源エネルギー庁を中心とした官民協議会が設立され、バイオ燃料(植物由来)に加え、製造過程でCO2を吸収する合成燃料(e-fuel)の導入促進が進められています。 2025年9月に大阪で開催された持続可能燃料閣僚会議では、合成燃料の生産・利用目標を2035年に4倍以上とする目標が掲げられました。合成燃料は、既存のインフラがそのまま活用できるという大きなメリットを持っています。
このように、ディーゼルエンジンは効率性の向上と次世代燃料との融合により、環境負荷を低減しつつ、持続可能な社会を支える「進化する内燃機関」として、次なる展開を迎えています。

2023年6月の「合成燃料の導入促進に向けた官民協議会」中間とりまとめでは、2030年代に導入を拡大し、2040年までに商用化、そして2050年までにガソリン価格以下のコスト実現を目指すロードマップが示されました。 製造コストの高さが課題であるため、コスト低減に向けて、安価な再生可能エネルギー由来の水素の大量調達や技術革新を進めることが、今後の重要な取り組みとされています。
「合成燃料(e-fuel)の導入促進に向けた官民協議会2023年 中間とりまとめ」
2023年6月30日 資源エネルギー庁資源・燃料部