クリーンディーゼル車で地球を守る

全国DP連相談役 藤平武インタビュー

ディーゼル新時代の幕開け

「全国デイーゼルポンプ振興会連合会(DP連)」は、全国陸運局管内にある全9地区で構成され、会員は主に市場に出たディーゼル燃料噴射ポンプの整備の専業店です。ボッシュさんとデンソーさんの両メーカーが賛助会員で、2009年4月1日現在、215社が加盟しています。

昨今、車両の電子化が進み、整備業界にも今まで以上に車両に対する高度な知識、技術と設備投資が求められるようになりました。従来型ポンプは全店舖で故障診断と整備が可能でしたが、コモンレールシステムには専門の診断機(テスター)と知識・技術の教育が必要で、費用もかかります。コモンレールを修理できる店舖は、大きく3つに分かれます。1つ目は部品納入、故障診断、単品修理などの集中修理ができる店舗。2つ目は、故障診断と、修理してもらった製品を使っての脱着(取り換え)の可能な店舖。3つ目は部品の取次店ですが、部品商との差別化をはかるために、DP連会員が取り替え技術情報などを提供できるようにしています。たとえば、社団法人日本自動車整備振興会連合会(日整連)のウエブサイトの整備技術情報「FAINES」をDP連会員も申請すれば見ることができますので、こういったツールも紹介して、人的、費用面で投資できない店をバックアップしています。

現在、抱える問題は、専門的診断をするのに必要な大型車用のテスターは、カーディーラーの専売特許のようになっていることです。ディーラーさんとおつき合いのある会社はテスターを借りて診断させてもらっていますが、DP連としては、国土交通省や日整連に依頼し、カーメーカーに対して、専門ツールを一般にも提供できないかと交渉をしていただいています。

ただし、テスターを持っていても、知識、技術、経験がなければ、点検・整備・調整のすべてができるわけではありません。DP連では地区ごとに、ボッシュさんやデンソーさん、日整連などが実施する勉強会に参加し、最新のディーゼルに対する知識、技術の習得に努めています。
DP連の活動のひとつとして、4~5年前から「クリーン・ディーゼル」普及活動に協力しています。ボッシュさん主催の試乗会で、私白身が実際にディーゼル乗用車に試乗して感動したのがきっかけでした。2005年以降、ボッシュさんに車をお借りし、関西DP会主催の講演や体験試乗会が新聞に取り上げられると、記事を見たさまざまな団体からお声がかかり、DP連には多くの講演依頼が舞い込みました。ラジオ出演の依頼もあり、「なぜ今、ディーゼルなのか」というお話をさせていただきました。試乗会については、まずは関係者に最新のクリーン・ディーゼル乗用車に乗っていただく機会を作っています。実際に体感してもらえば、すぐに良さを分かってもらえますから。マスメディアも頻繁にディーゼル車を取り上げるようになりましたから、さらに効果がありますね。
DP連では2008年から、「クリーン・ディーゼル連絡会」と銘打ち全国各地で活動を続けていますが、そこでも「クリーン・ディーゼル」はCO2削減に有効な内燃機関のひとつであることを、強くメッセージとして発信しています。自動車関係の団体に対して講演すると、きまって、「今までと印象が変わった」、「静かになった」という声をよく 聞きます。関係者ですら知らなかった人が多いのです。体感した方からはディーセル乗用車の販売情報に関するお問い合わせもたくさんいただきます。自動車メーカーさんはそういう声をあまりご存知でなく、一般にそういう二一ズがないと勘違いしているのではないでしょうか。より多くのディーゼル車を市場に投入して欲しいというみなさんの二一ズが白動車メーカーさんに伝わるよう、DP連は今後もクリーン・ディーゼルの普及活動に協力していきたいと思います。
DP連では、ディーゼル車の黒煙問題がクローズアップされたことを受け、10年ほど前から、「点検・整備によるディーゼル車黒煙防止キャンペーン」や街頭検査を実施しています。車には経年劣化がありますが、適正に整備をじて乗れば20~30%黒煙を削減できます。また、全国を回り、黒煙低減方法や適正整備に関する講演、機関紙やポスターの配布など、車両保有者の意識を高める広報活動をしています。大阪府や兵庫県では、整備不良ディーゼル車の通報モニター制度を設けています。モニターに整備不良車両の黒煙量の見分け方や改善方法を説明し、該当車両のナンバープレートをチエックして通報してもらい、それをもとに全国の各陸運支局の整備課が車両所有者に整備を促す仕組みです。黒煙を噴く車両が走行できない体制にしたので、排ガスはゼロに近くなりました。これらの活動が、整 備不良車両の減少に貢献しているのは間違いないでしょう。
われわれが抱える課題のひとつ、バイオ燃料の品質管理については、現在、石油連盟さんにご指導を受けながら使用燃料の良否判定をしております。京都市のバイオディーゼル燃料化事業では、廃食用油(植物油)を精製したバイオ燃料を利用していますが、2年間100%バイオ燃料で実車走行させた車のディーゼルポンプを燃料供給・噴射系統への影響度の調査のため分解したことがあります。ポンプの状態は良好で、燃料の品質も通常の軽油と同等で不純物の混入は見られませんでした。ただし、公用車約300台分の燃料量なので品質管理が可能だったのでしょう。今後、実用の可能性はあっても、正式に導入するには、まず燃料の酸化劣化対策等の課題をクリアしなくてはならないでしょう。
私たちDP連は、「現存する内燃機関の中で、クリーン・ディーゼル以上の良い物はない」という信念の下、活動をしています。
「クルマ」がある限り、絶対に整備の仕事もなくなりません。特に超精密なシステムへの対応ができる、われわれの仕事はさらに重要視されるでしょラ。その仕事をきっちりこなせる知識・技術と経験を身に付けること、そして地球環境を守り、きれいにしていくために、われわれにできることを一生懸命やる。そういうスタンスで、これからも活動をしていきます。

(Bosch Zunder Japan 2009 No.1より)